途上国駐在、首都と地方に両方暮らしてみて感じたこと

こんにちは!nemu(@nemusblog)です。

新しい国、首都生活にもだいぶ慣れてきて、少しずつ暑くなる毎日に備えているところです。

今回は、現地駐在になった場合、首都と地方での暮らしでどういった違いがあるのか?について

両方経験してみて見えてきたことをまとめてみたいと思います。

NGOやJOCV、その他様々な機会で現場駐在、現地採用として暮らすことになった際

首都に暮らすか、地方に暮らすかによってその国の見え方や関われることは全然変わってくる!と実感しています。

どちらも良いところ、大変なところはありつつ、ここ2回ほどの駐在先ではどちらも首都暮らしだったこともあり

改めてその違いを振り返ってみようと思います✏️

私の駐在経験

現在5カ国目の勤務先、日本とイギリスを除くと現場での生活は以下の通り。

  • カンボジア:地方暮らし(1年)
  • エチオピア:首都暮らし(2ヶ月)
  • 現在の駐在先:首都暮らし(現在1ヶ月半)


カンボジアはJOCVではないものの、村で現地語を使いながら、停電や断水も日常茶飯事という環境で暮らしていました。

nemu
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と言っても大変だったことよりも、楽しかった思い出の方が何十倍も多いです。

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その後、現在アフリカ2カ国目での首都暮らし。

同じ途上国駐在と言えど、良くも悪くも”経験から学べる”こと、つまり外国人スタッフとしての私が理解できること&そのスピードには大きな差があると感じています。

地方暮らしだから、経験できたこと

①現地の”感覚”に近くで触れることができる

私が海外で栄養の仕事をしていて、一番難しくて且つ最も楽しいと感じるのは、この現地の人たちの感覚を理解した上で適切な栄養介入を行う必要があるところ。

この「感覚」の部分、説明がうまくできないのですが…

例えば、日本では子どもの頃から食育があり、給食があり、「赤・黄・緑」ってなんとなく理解している。「糖質オフ」なんていうと、なんとなく良いのかな、と手に取る人が多い。「完母」という言葉の裏にある、無言のプレッシャー。「今が旬だね」という会話、秋の味覚だから、と手に取る食材。。。。

こういう、日本で当たり前のようにある「なんとなく」という土台や感覚、慣習を、外から来た場合に理解するのは容易ではない、と私は今のところ感じています。途上国でも同じこと。

そして、それを理解しないままに仕事を行うことは、途上国開発を行う上で一番やりたくない、と考えています。



そんな、机上では学ぶことのできない「感覚」に、唯一触れることができたのは、現場での毎日だった気がします。

何が当たり前なのか、何を大切にしているのか、どんなことは避けたいのか、どこまでは入っていっていいのか…

毎日同じ場所に暮らして、朝から晩まで現地のおばちゃんと一緒に暮らしたことで、(ほんのちょっとだけれど)少しずつ理解できるようになり、

それが、仕事を行う上でも本当に必要不可欠な学びだったと、経験した今は感じています。

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②現地語の習得が早かった

英語だけが話せる時と、フランス語でも話せる時、そして現地語でも話せる時、では

相手が話してくれる内容、提供してくれる状況はそれに応じて増えていったことが過去に何度もありました。

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そして、当たり前だけど、英仏だけでしかコミュニケーションが取れないと、結局話せる現地のスタッフも、「英仏ができるスタッフ」という限られた人になってしまう。

海外留学をしていたスタッフ、これまで様々な機関で働いてきたスタッフ、等々。

その人が理解して、私に伝えてくることと、現場のお母さんが伝えたいことを毎度イコールにしていいのか、というときっと違う。

でも、現地語が話せないとそこに届くことができない。

そんな「現地語推し」な私的には、やっぱり現地語を習得しやすかった地方での暮らしは貴重だったと感じます。


首都では、現地語なしでも生活できてしまうんですよね。それでいいのかな、って思うことは多々あったりします。

③その国らしさ、を知る機会が多い

外国資本の介入が入る首都は、海外から来た私にとっては確かに過ごしやすいけれど、

結局その首都で暮らす現地スタッフの故郷だったりする「地方」こそ、その国らしさが見えやすいのかな、と思ったりします。

そして、いくら開発業務として首都滞在している立場だったとしても、

その国の政策や外交に関わっていく上で、そんな「らしさ」を首都だけで判断しないようにしたい、と感じています。



田舎生活時代は、首都に暮らす友人に憧れてばかりいたものの、

離れた今、その国のことを考えた時に思い出す景色は、田舎ののんびりした毎日の様子だったりします。

数年後離れてしまう国際スタッフだとしても、大きな仕事に関わらせてもらっている以上、この国の人が大切だと感じているところ、好きなところを、少しでもより理解したいと感じる上で、地方生活経験は本当に必要だった、と感じています。

nemu
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首都暮らしの今も、そんな理由から仕事やプライベートで現場を知る機会、現地の人と繋がる機会を積極的に作っていきたい!と思っている次第です。

首都だから得られるチャンス

①ネットワーキング機会

一方、首都滞在で一番大きいと感じるのは、たくさんの人と繋がれること。

様々な機関、企業等が集まる首都だと、コミュニティが広げやすく、キャリアアップに繋がる機会も多いと感じます。

国際スタッフ自体が多くない国などであれば、いろんな立場の方々と交流するチャンスも多いので

特に学生などであれば、ロールモデルとなる先輩などから話を聞く、といった機会も持ちやすいことも嬉しい点かなと思います。

nemu
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私も学生時代はアフリカの首都でインターンをし、今の仕事に繋がる先輩方にお話を伺う機会などもいただいていました。

②メンタルケアがしやすい

地方に比べると娯楽が多かったり、ネットも整っているから日本の家族や友人と連絡を取りやすかったりと

自分のメンタルケアがしやすい、という点では首都の方が過ごしやすいと感じます。

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また、空港が近かったり、バスの交通網が充実していたりと、ちょっとした旅行や移動も地方に比べるとしやすいのも、気分転換の機会が持ちやすかったり。

身体の不調なども心配な場合は、病院が近いというのも良いポイントになりますね…!

もし今就活中なのであれば、その時々の職務内容や所属先から、ストレス負荷量を考慮して滞在先を考えてみる、というのも良さそうです。

③仕事以外のスキルアップ機会が多い

現場経験、という点では地方の方がより現地に根づいた経験ができるものの、

業務以外のスキルアップ、例えば語学やその他トレーニングなど、は首都の方がやはり充実しています。

英語の語学試験会場、語学学校、スキルアップ研修等々はほとんど首都開催だったりするので、そこに行きやすいという点では首都生活は有難いと感じます。

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ただ、コロナ禍以降はオンラインでの機会も増え、正直工夫さえできれば機会損失はそんなにないのでは?と思うことも増えたので、ネット回線が安定していれば地方でも変わらないかもしれません….!

まとめ:地方暮らしの有無では見える景色が全然違う…?

と、両方過ごしてみた結果感じました。

地方生活があったからこそ、「ここの違いがあるはず」「この理解が必要なはず」という意識を持ち首都生活ができているものの

この国でも地方のことをもっと知る機会があれば!と思うことが多いのは事実。



どっちがいい、悪い、ではないものの、首都暮らしっていいなあと思っていた新卒地方暮らしの自分への返事も込めて

記事にまとめてみました✏️

居心地の良い首都でしっかりメンタルケアをしつつ、機会を見つけて自分から「現場を知る努力」も続けていきたいと思います。🌼